78

発掘プロット練習2

:学園・恋愛


主人公の現在:信頼(付加要素:創造・理性の逆)

主人公の近い未来:秩序

主人公の過去:知恵(逆)

援助者:調和

敵対者:清楚(付加要素:寛容の逆・意思の逆)

結末:至誠



プロット。

 主人公、紘一は本人が思いもしなかった生徒会長選挙に、同じクラスの女生徒環に急に担ぎ出される(信頼)。それは紘一が学校の成績は決して良い方ではない(知恵・逆)が愚直なまでな熱心さで作り出す、発明品の数々(創造)で周囲の人間を助けたり楽しませたりしているからだ。

 対立候補は無投票当選を当然であると思っていた学園内でも成績優秀で有名なお嬢サマ睦美(清楚)だ。急な対立候補出現と、その対立候補の選挙参謀が幼なじみの親友である事に、感情的にも紘一を敵視する(寛容の逆)。

 紘一が誰かのためではなく思いつき(理性の逆)で作った物には失敗品も多く、騒ぎになる事も多い。それを一時の感情に任せて槍玉に挙げて生徒会長選挙のネガティブキャンペーンに打って出てしまう睦美とその陣営。

 生徒会長選挙の盛り上がりは立候補者二人の預かり知らぬ所で盛り上がってしまい、ゴシップが飛び交いそれまでは平和で明るかった学園を二分して殺伐とした空気を齎してしまう。

 紘一も睦美もそんな事は望んでいないので悩んでしまう。

 紘一は自分が降りさえすれば、この状況は収まり(秩序)元々当選確実である睦美が会長になり、それが相応しいと思う。が、周りの気持ちも考えてしまうとなかなか言い出せない。

 睦美は親や周囲の期待もありとても降りる事は出来ない(意思の逆)が、本心では元々乗り気ではなかったし、突然現れた対立候補の紘一の方が学園の気風には合っているのではと思っている。

 そんな時、紘一の選挙参謀でもある環から電話で呼び出される。立場上敵陣営ではあるが、唯一心を許せる相手なので悩みながらもその場所へ向かう睦美。しかしそこには環は居らず、紘一が同じように呼び出されて待っている。

 最初は気まずくて何も話せないが、共通の友人でもある環についての話題(調和)で段々と打ち解け、お互いに今の状況を快く思っていない事がわかる。そしてお互いに色々な事を話し合う。

 選挙運動の最終日、投票の直前に立会演説会が行われる。環は現れない。両陣営の白熱した応援演説が続き、お互いに最後の一人を残した形になる。

 紘一の最後の応援演説には睦美が立ち、睦美の応援演説には紘一が立つ。その演説内容は、今まで両陣営が行ってきた、敵陣営に対する非難めいたものではなく、純粋に候補者の人格を素直に認めるものであった。

 そして、会場の動揺の最中に続いた当人同士の演説も双方推されたとはいえ、彼ららしい自らの責任を果たすのに相応しい内容の物になっていた(至誠)。

 混乱と奇妙な静寂に包まれた中投票は行われ、票は同数となる。選挙運動の盛り上がりもあり欠席者はただ一名のみ。それは紘一の推薦者で選挙参謀でもあり、睦美の唯一の親友でもある環だ。

 環は手術室で無機質な無影灯の光を浴びながら同じ時を迎えていた。

 病院の白い清潔な天井を見つめて環が目覚めた日、学校代表のお見舞いとして訪れる紘一と睦美の姿があった。

 END



 所要時間約1時間。

[mente]

作品の感想を投稿、閲覧する -> [reply]