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プロット練習090206

ジャンル
1:ファンタジー
2:サスペンス
3:アクション

主人公
性別:男
年齢:幼年
陰陽:陽
属性:火

プロット
主人公の現在:寛容(正)
主人公の未来:意思(逆)
主人公の過去:治癒(逆)
援助者:開放(逆)
敵対者:善良(逆)
結末:勇気(逆)

Δ魔城の完結

始。
主人公ヨートゥルは半ば呪われた存在として生まれ、そのまだ幼い人生の殆どを辺境の廃城に幽閉されながら過ごしてきた。
呪われた者の幸福は禍々しいものであると言う理由から、彼には一定の周期で決められた苦痛が与えられていた。それは同じく呪われた者と定められた異形の者たちとの死闘である。しかし、彼は決して殺されない。完全に呪われた者であれば、それを滅することには何も呵責は感じないのだが、半分は呪われていないのであるから、それを殺せば半分の罪を蒙ることになるからだ。
彼は、いつも瀕死の状況で助けられる。
そして傷が癒えたらば、また戦いの場に引きずり出される。
彼が受ける苦痛は、異形の者が与えたもの。呪われた者の苦痛。
彼を死から救うのは、残り半分の人を救うことになる。
そんな歪な免罪符。
呪われた者の苦痛と、人への救済、それは秘められた祝祭として、富貴なる者達の娯楽として饗されていた。
しかし、呪われたとされていても、素顔のヨートゥルはあどけない少年である。
その素顔のまま苦痛に晒される姿は、一部の悪趣味な者を除いては、どうしても受け入れ難い。またそういう容姿を彼は持っていた。母譲りの。

彼の母は、神に仕える職にある者だった。
全ての世俗から離れた山里で、ひたすらに世界の寧安と民の幸福を祈るためだけに生きていた。
その神殿の頂点である聖女に仕える巫女だった。
そして、近隣のある主君が聖女に目をつけ、武力に物を言わせて手に入れようとした。
聖女が美しかった事もある、そして、神の名が持つ力も魅力的である。
最低でも二つのものが手に入るからだ。
神殿の周囲が血と炎で穢されていく。神殿には決して手を出さないが、聖女が出てこない限りは、ここまで連れて来られた者たちが、異形の者達に主君の軍勢の見守る中殺され続ける。そういう脅しだ。聖女が主君の下に来れば、これらの者は助けてやると。
神殿を守る者達も、無辜の民を守る為に異形の者達と戦うのだが、多勢に無勢勝敗は明らかだった。一度神殿から出てしまえば二度と戻れない掟があるため、聖女を守る為とはいえ神殿の全ての守護者を出すわけには行かなかった。聖女はあくまでシンボル的な立場で、事実上の指導者はまた別にいたからだ。
そこに、暴虐を知られる主君を倒すべく密かに狙っていた抵抗軍が割って入り、囚われていた民衆を解放し、傷つきながらも異形の者達を退ける事に成功する。時を同じくして、他国からの侵攻の知らせが入りその場は退くことになる君主。
解放された民衆は既に住居や田畑を失っている為に帰る場所が無い。そして、神殿から外に出て戦った神殿の守護者たちは大きな痛手を負っていて、あまり動かすことは出来ない。
もともと天然の要害であった神殿の周辺に、隠れ里を作り一時的に暮らすことになる。
抵抗軍は、神殿に降りかかった災厄を払った者として、祝福を受けることになる。
祝福された者は、神殿に入ることを許される。
つまりは、失った守護者の代わりとなることを期待されてだ。
同じ異形の者と戦ったというのに、堕ちた守護者と祝福された抵抗軍。軋轢は静かに徐々に広がる。
それは一つの恋をきっかけに決定的なものになった。
祝福され神殿に入ることを許された抵抗軍の若者と、彼の母である巫女との再会である。
貧しい辺境の村の口減らしで、離れ離れになった幼い二人。
正式な守護者になれば、巫女とも言葉を交わすことが可能になるが、外に出ることは出来なくなる。巫女は自ら望んで世俗に下れば、民衆と言葉を交わすことが出来るようになるが、すぐに神殿からは遠くに離れなければならない。
二人はそれぞれ願いすれ違う。
正式な守護者への試練の日々を終えた若者は、彼女が既に神殿を離れたことを知り、世俗に下った彼女は彼が試練を受けていることを知る。神殿から離れなければいけない彼女は、一人険しい山道を進む。今まで神殿の中の生活しか知らない彼女にとって、行く当てのない命がけの旅である。彼女を密かに慕っていた元守護者の若者が、傷で動けないまま事態を知り懊悩する。
守護者となった彼もすぐに彼女を追いたかったが、そうなると、他の仲間達や神殿の者たちを裏切る事にもなるし、互いの関係を悪化させる事にもなりかねない。だが、ここまでの道のりを考えると、彼女一人では危険であることはわかっている。
彼は夜になり人知れず神殿を離れ、彼女のあとを追う。
命令でもなく、断りもなく、守護者が神殿を離れることは罪であり呪いを受ける事にもなるのだが。
こうしてなんとかめぐり合った二人だが、暫くの穏やかな日々の後に呪いの為か、それとも単なる偶然か彼は急な病であっけなく死んでしまう。
二人が居なくなったことで、神殿側と抵抗軍側の関係は悪化していて、それぞれの内部でも、さらに分裂していた。その隙を君主の命を受けた一群が突くのは簡単な事だった。あっけなく壊滅してゆく抵抗軍と神殿の守護者たち。お互いを信頼せずに戦うのだから数は問題ではなかった。
今回君主側には大儀があった。
世俗との関係を絶ってこその神聖であると言うのに、抵抗軍などを守護者として迎え入れ、尚且つ巫女とのその抵抗軍の一員が駆け落ちするなど、聖女を奉る場所には似つかわしくないと。
聖女は君主の下に連れ去られ、僅かに残った一部の者たちが敗走する。
君主の国はその後、連戦連勝を続け、大国となる。
聖女は籠の鳥として新しく王城の一部に作られた神殿で軟禁生活を送っている。
打ち捨てられた元の神殿に幼いヨートゥルを連れて訪れた彼の母は、そこで元守護者の若者に再会する。
自分たちが離れた後の事を聞き、打ち崩れる彼の母。
そして二人は、元守護者の手に捕らえられる。元守護者は君主の配下になっていた。そして、なかなか君主の言うこと聞かない聖女を脅す為に、彼女の顔見知りの生き残りを探していたのだ。
自らの為に聖女がこれ以上苦しめられるのはと、彼の母は必死に逃亡を試みるが、元守護者に追いつかれ弾みで死んでしまう。
聖女の前に連れて来られた幼いヨートゥルは、その母親と同じ髪の色から、確かに親子であると聖女が認めることになり、この子をきちんと養育する代わりに、この子と謁見する時だけは君主の前にも姿を現すことを約束することになった。

体の傷は服で隠せるが顔の傷は隠すと不自然になる。そういう理由もあって、ヨートゥルは不気味な悪魔の面を付けさせられていた。
ヨートゥルの世話をする者や、彼を異形の者から助ける役の者の中には、少数ながら彼に同情する者もいて、上手な攻撃の受け方などを少しずつ覚えていっていた。
ある、明日にヨートゥルの死闘が控えている日に、完全に呪われた者とされる男が廃城に連行されてきた。
君主に逆らったわけではないが、幾人もの人間を面白半分に殺めた者だという。
最近予定調和のヨートゥルの死闘に飽きたと云う観客が多いので、呵責を感じずに見物できるものとして連れて来られたのだと言う。それをヨートゥルの前座に使うというのだった。
ヨートゥルはその男をなぜか怖いとは思わなかった。
そして死闘が始まると、最初はいつも通りに普段は閉じ込められ拷問を受けた反動から暴れまわる異形の者たちが、男に襲い掛かるがなぜか男は傷つかない。それどころか男に従うように周囲を破壊し始める。
男は真実に呪われた者とされる側の人間だったのだ。
廃城を破壊しつくした男は、ヨートゥルに手を差し伸べる。
お前も立派に呪われた男の子供だと。
呪われた者。今まで便利だからそういう呼称を与えて使っていた権力の側の者たちは戸惑う。
神聖と言う言葉も便利だから使っていたに過ぎない。
だのに、今目の前には確実に、便宜上与えてきただけに過ぎなかった力を持った人間がいるのだ。
それは、反面的に神聖の力を信じる動機にもなる。
男とヨートゥルに率いられた異形の者達は、ゆっくりと君主の国の辺縁をなぞる様に動いた。
少しずつの小競り合いを近隣の国と起こしながら。
この事は、君主の国に事実上幽閉されている聖女の加護が君主の国にあるから、君主の国には攻め込めぬのだとも取る事が出来た。
それは、聖女の力が、神聖が本物であることにも繋がり、ひいてはその聖女に対して、この君主がどのような行いを行ってきたのかを改めて思い浮かばせる機会にもなった。
そんな周囲の声もあり、あまり聖女に強く出ることが出来なくなった君主は、異形の者たちの軍を滅ぼしてしまえば全て解決すると動くのだが、ヨートゥルは聖女の祝福も受けているのでヨートゥルだけは無事に確保することが必要だった。
そんな無茶な命令を受けては、効果的な攻撃が出来るはずもなく。君主の軍は徐々に消耗して行った。その様子を受けて、兵士の間にはやはり君主の非道な行いは神に許されていないのだと広まり始める。払拭を試みる君主は、神殿での祈祷を大々的に行い、神と共にあることを示そうとする。しかし、以前の神殿破壊後、大掛かりな祈祷を行えるようなきちんとした司祭はいなくなっていたが、強引に脅してどうにか見繕ったのだった。
だが、脅されて引き受けた者なので、あくまで体面上のものだった。
祈祷が始まると、こんなものは神への冒涜だと叫ぶ者が現れる。自分は元守護者だったから判るのだと。それはヨートゥルの母を死なせてしまった元守護者だった。捕らえられた彼は、すぐさま君主の命令で殺されてしまう。
その一部始終を知ってしまった、偽司祭は、元守護者が本物であること知っているが為に、恐ろしくてこれ以上儀式を続けられない。全てを台無しにされた君主はその偽司祭も殺させて、混乱する神殿を進み遂に聖女に剣を突きつけて脅す行動に出る。殺されたくなければ、この国を、いや、自分を祝福しろと。
そのとき、混乱に乗じて紛れ込んでいたヨートゥル達が現れる。
ヨートゥルは剣と聖女の間に躊躇いもなく割ってはいる。朧気な母の面影を時々しか合えなくても聖女の面影で補っていたからだ。彼らは元守護者の手引きで忍び込んでいたのだった。
君主は好機と考える。この場でこの呪われた男を殺し、ヨートゥルを取り戻せば全て元通りになると。君主の命令で、衛兵達が男を斬り付けるが、男に傷一つ付かない。乱戦は続く。
だが聖女が呪われた男の目の前に立つと、一瞥の元に光と共に消し去ってしまいヨートゥルはその場で崩れ落ちる。聖女はヨートゥルを抱きかかえて君主に告げる。
「わかりました。あなたを、この国を祝福しましょう」と。
祝福の儀式はすぐに行われた、一旦は神殿を離れた各国の大使も再び呼び戻され、何しろあの聖女が直々に祝福を行うと言うのだから国の内外からも多くの人間が押し寄せた。
ヨートゥルは覚悟をしていた。恐らくは、半分呪われている自分は祝福の場にいたら文字通り半分に消え去ってしまうのではないかと、あの呪われた男と他の異形の者達のように。
それでも、聖女がそれを望むのであれば、なにか理由があるのだろうからと信じてもいた。
祝福の儀式が始まった。聖女の口から紡がれた歌は、ヨートゥルの幼い日の朧気な記憶の母の声と更に幽かに揺らぐ父の声ので再生された、子守唄だった。
愛するものから邪悪なるものを退ける事を願う、そんな歌だ。
歌が止んだと同時に、聖女の前に額づいて聴いていた君主と近衛兵の一団、そして一部の貴族が光と共に何かに引っ張られるように宙を飛び、その姿は国境を越えた深い森の中まで移されていた。
その君主の目の前に現れた呪われた男は云う「既にお前達も全員呪われていたのだ」と。
元守護者は、ヨートゥルの母の死の際、彼女に許されていたのだった。そして、その後もヨートゥルの事を気に掛け贖罪の日々を送っていて、ヨートゥルの元にこの男を手引きしたのも元守護者だったという。そして、誤った祈祷を命がけで止めた行為は、祝福に値し、その者を殺すように命令した者実行した者は、呪われて当然であると。
世界は呪われた者を討伐する気運に満ちている。もっともそう仕向けたのは君主自らである。我々は面倒だから身を隠すがお前達は勝手にするがいいと。
君主は問う聖女が君主の追放などと言う、俗でもある政治的な行為を行って良いのかと。
呪われた男は云う、聖女が行ったのは呪われた者を国外へ追放するだけの祝福だと。
ならばなぜあのヨートゥルも…と君主は呪われた男に尋ねた。
ならばなぜ、自分も国外へ飛ばなかったのか?ヨートゥルは聖女に尋ねた。

呪われた男と聖女は異口同音にこう答えた。
「生まれながらに呪われた子供など、例え半分の呪いでも、いるわけが無い」
テレビを見ながら4時間。
アクションとか主人公の少年の動きとか、まだまだ未確定な部分多し。

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