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発掘、かなり恥ずかしい短編メルヘンな意味で。
- 2009-01-29T22:02:53
- れもら乃輔
短編。
「この空は青」
「ねえ、君はなぜこの空が青いと思う?」
どこか、遠くで鳴くウミネコの声を聞きながら、僕は砂浜に寝ころんだまま、その空を見上げた。
空が青い理由。
なんだろう。
「時間切れ、は無いから、いつでもいいよ。」
いつもそうだ。僕があのコから出される問題に制限時間はない。それは、「競うものじゃないから」らしい。
それだけ言うと、また、静かに打ち寄せる波に、なにかしらの足跡を残しに、あのコは駆けていった。
空。
僕らが見ているのは、本当に空の色なんだろうか。空の青なんだろうか。
空はどこから空なんだろう。
水平線と地平線、確かに見えはするけれど、それと同じくらい、とても曖昧だ。
大気の層が、青い光だけを反射するから。
それは、理屈だ、あのコの問題の答は、こういう理由とかじゃないと僕は。
なぜ、空が青いと思う?
あのコが聞いたのは、僕の「思う」だ。
「どう?」
ひとしきり跳ね廻って満足したのか、あのコが少し肩で息をしながら、僕の横に座り、同じように空を見上げる。
「海が青いから。」
そう、思った。
「じゃあ、海が青いのはなぜ?」
可笑しそうにあのコが問題を重ねる。少し、ルール違反の気もしたけれど、答は解っていたので僕は許す。
「空が、青いから。」
「へんなの。」
「そういうもの。」
「ふうん。」
たぶん、この空が青いままで、この海が青いままで、僕が君のままで、あのコがあのコのままで、この世界は終わるのだと思う。
それはそれで、僕は少しだけ、嬉しいと悲しいの曖昧さに浸れる。
僕はかなりわがままだ。
言い訳はしない!(笑)
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