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発掘プロット練習14

その14(2004*10)



ジャンル

1:歴史

2:シリアス

3:推理



主人公

性別:女

年齢:少年

陰陽:陰

属性:風



プロット

主人公の現在:勇気(正)

主人公の未来:制約(正)

主人公の過去:結合(正)

援助者:慈愛(逆)

敵対者:公式(正)

結末:清楚(逆)



暗黒の中世魔女狩りの時代。

主人公エニールは山奥の村から修道院へ10歳で預けられ、7年の月日が経っていた。

神の教えに基づいた厳粛な生活を送り、ほぼ外界から隔絶された生活を送る彼女たちの耳にも魔女狩りの噂は聞こえてきていた。

ある日、異端審問を待つ魔女とされる人物がエニールの棲む修道院に連れてこられた。修道院にある聖遺物を用いて、その魔女が行った魔術を解くためにだ。

罪なき人々を惑わす魔女とはどんな人間かと、悪と対決しようと言う強い決意からエニールはその魔女を見る。

それは年経ていたが、故郷の幼友達ミネルだった。

彼女の祖母は薬草などの知識が豊富な人で、温和な性格もあいまって村の人々から尊敬されていた。彼女もそれを誇りに思っていたし、エニール自身もその知識に助けられたことは何度もあった。

エニールが修道院に入った後、何年かしてその祖母が死んだことは聞いていた。

告訴状によると、その祖母も魔女であったし、故に血縁の彼女も魔女であると言うのだ。

エニールにはそれが信じられない。

悪をなすのが魔である。

彼女たちは心底善なる守られるべく存在であるのに。

審問官に意見することは、殆どの場合自らも魔女の眷属であると言うような自殺行為であったが、エニールは幼馴染を見捨てるわけにもいかず、厳しいことで有名な審問官ジャルドーに意見をする。

ジャルドーは信仰心の強さから、如何なる不正や悪を見逃すことはなく、幼子であっても厳しく罰することで有名だった男だった。
エニールの申し立てを聞いたジャルドーは、ならばその魔女が魔女ではない証明をせよという。

魔女であると告発したものが、故意に嘘の告発をしたと発覚した場合は厳罰が下る。

告発者は故郷の領主だった。

その領主もミネルの祖母の恩恵を受けていたはずの人間だ。

エニールは許しを得て、領主に会いに行くが、魔女の呪いを受けて臥せっているからと、執事を名乗る嫌な感じのする男に追い返されてしまう。

そのエニールを館内に導いたのは、下働きをしている村の知り合い達だった。

あの執事が来てからと言うもの、小作料の取立てやいろいろが急に厳しくなったと言う。

ミネルが魔女とされたのも、そのへんが原因ではないかと。

それと同時に領主も弱り、実は神に仕える人間と話がしたいと密かに召使には伝えているのだと言う。

邸内に入ったエニールは領主と対面する。幼心に覚えているふくよかな様子はなく、青ざめた顔に頬はこけ、死の影に怯えているかのようだった。

全てはあの執事を名乗る男のせいだと領主は語る。

この地方で魔女狩りの成績を上げるためにやらされているのだと。
当初は金に目がくらんで、宿無しの者などを選んでいたが、そのうち領内の者を告発せよと言ってきた。断れば虚偽の告発をしたと訴えると言われ、従っているという。

持病の薬をミネルの祖母が死んだ後は、ミネルに作ってもらって届けさせていたが、その姿を見た執事の男がミネルにちょっかい出そうとしたところ、撥ね付けられたのがミネルを魔女として告発させた理由だろうと。

エニールはその執事を名乗った男、リオールに対峙する。

全てを告白して懺悔せよと。

リオールは意にもとめず、お前も魔女であろうと、エニールを手下に命じて捕らえさせる。

エニールも同じく魔女としてミネルと一緒に公開異端審問の場に引き出される。受け持つのはジャルドーだ。

審問が開始される。

リオールは告発者の代理としてそれを見物している。

すると、他の見物人の中から件の領主が現れ、この子達が魔女ならば、自分も魔女だと名乗り出る。

リオールが残したはずの見張りは村人によってのされていた。

他の村人たちも、ミネルの祖母のおかげで助けられたことがあるのだから、我々も魔女であると進み出る。

リオールは最初は動揺したが、この者たちが魔女であろうとは最初から見当つけていた、どうぞ厳正な処罰をと申し出る。

他所から来たお前(リオール)達以外は全て魔女なのだな?とジャルドーはリオールに念を押す。

如何にもとリオールは応える。

ジャルドーはリオールの前に進み出ると、一振りの剣を抜く。

この剣は聖遺物の剣である。

魔女の命を奪うが、罪なき者には傷一つ付かぬ。

そういってリオールの首元に刃を突きつける。

大勢の魔女の只中に居て、その影響を受けぬとは素晴らしい信仰心だ。お前ならばこの剣で首をはねようとしても決して傷つかぬだろう。

と、振り上げると、リオールの耳を切り落とし刃は地に刺さる。

貴様は魔女ではないようだが、それなりの罪はあるようだな。ジャルドーはそういうと、リオール達を捕らえさせる。

解き放たれるエニールとミネル。

大人しくしてる魔女よりは、不正を働く人間のほうが、私にとっては悪なのだ。ジャルドーはそう言い残すと次の派遣先へと旅立つ。
エニールは慎みがなかったとして、お小言を喰らい、しばらく謹慎の身となったが、心は晴れ晴れとしていた。

<了>



久々で一時間かかり。

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