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発掘プロット練習12

:サイコ・アクション・学園



主人公の現在:意思
 
主人公の近い未来:生命

主人公の過去:善良

援助者:節度

敵対者:解放

結末:慈愛



 主人公、乙夜(いつや)は17才を迎えたばかりの少女。

 普通なら高校に通っている年齢だ。学校らしき場所には通っている。

 管理されている、と言った方が正しいかもしれない。

 乙夜達は全国から集められて寄宿生活を送っている。

 片鱗があるから、若しくはもう既に発露しているから。

 俗に言う所の超能力のだ。

 乙夜はただ“テスト”には引っかかったが、その力はどんなものでどれほどのものなのかは未だにわからない。

 中には念動能力が暴走し、それがポルターガイスト現象と思われ、いい加減な霊能者の言葉を鵜呑みにし、呪われた子として家族からも疎まれた子供もいるが、乙夜の両親などは明るいもので、スプーンが曲げれるようになったら教えてねー程度のものだった。

 今まで普通に、本当に普通に過ごしてきていた乙夜にとっては最初は全然ぴんと来ない話だった。しかし、徐々に自分にとって始めて普通じゃない事に、自分の新たな可能性がここに見出せるかもしれない事に希望を抱いていた。(意思)そしてそんな子供はここでは数少ない存在だった。

 乙夜がここに入って半年程経過していた。なかにはやたらひねくれた人間もいるが、普通に明るい連中もいて、乙夜はそのグループに入っていた。

 授業なんかも普通の高校とは変わらずに、能力についての検査やテスト、そして発露した子供達はそれのコントロール方法を学んでいた。発露した子供と発露しない子供の間には見えない壁が存在していて、発露した側は優越感と共に普通じゃないという疎外感を、発露しない側は同じ素質はあるはずなのに何も変わらない自分への劣等感とまだ普通に戻れる安堵感を持っていた。

 ある日突然、ひねくれ側にいじめられていた発露前の少年が、急にその能力を発露させて、いじめていた側のリーダー格を吹き飛ばす騒ぎが起きる。

 突然のことに生徒達の間で動揺が広がり、心理的不安から能力を暴走させる子供達が次々と増えていき、施設は外界から完全に隔離された。緊急時にはそうする規則だった。

 閉鎖された施設に急に知らない男とその一団が現れる。

 静止しようとした職員を強力な力でねじ伏せる男。

 その男は放送で子供達に告げる。

 私は解放者だと。

 このままでは政府に良いように使われて捨てられるだけだ。自分達の方が能力が高いのだから立ち上がるべきだ。

 何処かで聞いたことのあるようなプロパガンダに今時の子供が乗るはずが無い。大概の子供達はそれに従おうとはしない。

 そう悟ると男は力で子供達を従えにかかる。

 どっちが人を「物」扱いにしてるんだろうか?

 発露した子供達を中心に反撃を試みるが、その男の力にはかなわない。それに先ほどの事件を起こした子供のように、ここぞとばかりに負の感情を爆発させて暴力に訴える子供達も出てきていた。

 傷つく人間が増えてゆくと、男に従う子供達が増えてゆく。

 死ぬよりはまし。それはある意味正しく、仕方が無い反応だ。

 追い詰められる乙夜たち。

 男達は子供達を従えつつ、それを人質に政府に要求を突きつけていた。大金と彼ら能力者が実験動物さながらの扱いを受けたことの公表だ。

 遂に捕まる寸前、男達の一団の人間に救われる。彼と彼女の二人はお互いを愛するうちに、決して今の狙いが正しいものではない事に思い至り、できれば止めたいと願っていた。(節度)

 乙夜達をなんとか逃がして、自分たちは他の仲間を説得するつもりだという二人。

 しかし、それも遠隔聴覚を持つ子供の能力によってばれてしまい、取り囲まれ捕まる乙夜達。例の男達の一団はそこにはいない。すでに一部の子供達は男達の思想に浸かっている。

 二人の大人は連れてくるように言われていたが、勝手に処理しようとする子供達。

 その時乙夜の能力が発露する。止めようと必死になった乙夜の意識が向いた相手を一瞬にして眠らせてしまう乙夜。

 これにより逃げ出す事に成功する。

 子供達を支配化に置き、政府に要求をしていた男達が異変に気付き、乙夜達を捕まえようとするが、間一髪閉鎖を解き外界から救出の部隊が突入する。

 次々に捕まり追い詰められた男の前にあの二人が説得に現れる。

 子供達へ自分達と、同じ目にあわせないようする道はできた。潔く罪を認めようと。

 男はその二人を能力で弾き飛ばし、自分の命を絶とうとするが、乙夜に眠らされてしまう。

 乙夜の能力は夢。記憶を再統合する夢。生きてゆくために記憶を作り直す夢を見させることができる能力だった。

 それは憎しみを絶つ事ができるかも知れない力だ。(慈愛)

 けれども、他の人間の生き方を操る事すら出来てしまう。

 そして乙夜は。

END



所要時間:一時間半くらい。タイマーの意味が無い。話的には乙夜の友達の能力とかその辺をもっと膨らましたり、心理的な闇とか書かなければ面白くないだろうなと。

 それと乙夜の能力の発露を匂わすいい伏線貼らないと薄い話になりそうだなあ。ベタだなあ(涙)

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