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発掘プロット練習5

:SF・コメディー。

主人公の現在:庇護の逆。

主人公の近い未来:治癒。

主人公の過去:至誠の逆。

援助者:知恵の逆。

敵対者:誓約。

結末:秩序。



プロット。「アクティノバチラスアクティノミセテミュコミュタンス。」


 主人公は最後の虫歯の持ち主だ。最後とはこの世界で最後の。そしてそのために歯科組織から追われている(庇護の逆)。

 甘い物を食べたら歯を磨く、これはこの世界では空気を吸う事と同じくらい自然の事であったが、主人公は守らなかった(至誠の逆)。

 歯科組織はWHOに世界の虫歯撲滅宣言(誓約)を出している以上、虫歯の存在を許せない。それに体面上虫歯と言う事を告げられないので、何も言わずに主人公を強制的に治療しようとする。

 自らの歯の痛み原因がわからない上に、理由を告げずに追いかけてくる白衣を来た歯科組織や、そのドリルなどの医療道具に必要以上の恐れを感じて追い詰められる主人公を、更に煽るように逃げる手助けをするのが、陰謀マニアの一団(知恵の逆)だ。

 自分がとても恐ろしい病原菌の実験体に知らない間にされたと思い込まされた主人公は、陰謀マニアの一団と共に逆に歯科組織の本部へ乗り込む。

 乗り込んだ本部に人質をとって立てこもる。歯科組織は体面のため説明はしないので状況は悪化する。軍や警察にも包囲され、歯の痛みがひどくなると共に死を覚悟する主人公は、自分の親不孝を嘆き、最後に母親に電話をする。その隙を狙った人質の体当たりを受け床に思い切り顔を打ち付けた主人公の虫歯は抜けてしまう(治癒)。

 痛みの消えた主人公はこの歯が病原体の巣窟であり、このままでは世界が危険だと勘違いし、厳重に虫歯を包んで、それをもって投降する。これにより虫歯がまだあったことが発覚。歯科組織は面目丸つぶれとなる(秩序)。

主人公は数ヵ月後の新聞にデカデカと載る。世界最後の虫歯治療を終えた人物として。

END



所要時間、17分30秒。

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