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発掘プロット練習4

推理・サイコ(サイコと言う事なので、付加要素にド・プランシーの地獄の辞典より、ランダムに選出){オランダの軽業師}

主人公の現在:節度の逆。

主人公の近い未来:解放。

主人公の過去:調和。(意思の逆・慈愛)

援助者:結合。

敵対者:公式。(真実の逆・生命の逆)

結末:信頼。



プロット。

 代筆業を営む綾。親が有名な書道家でもあり、愛されると同時に期待されてその業も受け継いでいた(慈愛と意思の逆)。しかし只字を書くことに疑問を感じた綾は友達のラブレターの代筆をした事をきっかけにそれを始める。綾に代筆してもらった手紙には不思議な効果があると噂があり、そこそこの繁盛だ。親への反抗からちょっと妖しげな依頼も受け始める(節度の逆)。

 ある日不思議な依頼が舞い込む。とても古い手紙が何通か、というよりは古文だ。普段なら依頼された品の出所は探らないのが仕事上の戒めなのだが、今回に限りどうしても気になり探ってしまう(節度の逆)。

 受け渡した相手も、誰かに頼まれた代理の人間だ(真実の逆)。一人ではとても追いきれない、そこに綾に代筆してもらって助けられて以来仲良くしている連中が加わる(結合)。

 最初の手紙が受け渡されると、受け取った相手は不思議な死に方(その古文に見立てられて)で急に殺されてしまう(生命の逆)。

 死ぬ前に手紙を受け取った事が判り、それが綾の筆跡のものであると警察はつかむと綾を怪しいと睨む(公式)。

 警察の手から逃れつつ、仲間を巻き込まないようにそして疑われるのが嫌だから離れ、綾はその古文と死んだ人物の関わりを推理し、残された代筆した手紙の受け取り主を推理し、そこに向かう。

 すると、まさに殺害せんとする現場で、殺人者は綾が読み解いた古文の関係者ではなく、只の骨董収集家であり郵便配達人で、手紙を盗み読む癖がある。その古文の内容を読み解くうちに憑りつかれた人間だった。

 その古文はいわば死者からの手紙であり、そう言った手紙を実際に何通も殺人者は見てきていた。そして、その恨みなどを晴らすのは自分の役目であると思い込んでいた。

 綾も同罪だと殺人者は言う。

 殺人者が強い思いに駆られたのは、綾が代筆した手紙を盗み読んだからだと。

 そして、綾も手にかけようとしたとき、仲間が駆けつける。綾がそんな事をするはずがないと信じていた仲間達(信頼)は、綾の後を懸命に追っていたのだった。

 殺人者は逮捕され、綾の代筆業も終わりを告げるが、代筆という人の思いを担う事に重みを感じ始めていた綾の顔は晴れ晴れとしていた。

END

所要時間:27分。

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